「化猫感想其の二」
「真」を知りたがるモノノ怪
今回のモノノ怪化した節子さんが、ビジュアル的には
シリーズ中一番怖かったです。
あんなお目めグルグルで急に目の前に現れられたら・・・ッ!!
(正男君のお目めゴシゴシも、観てて「うわ〜それ以上擦らないで〜!!」
て、不安と恐怖を感じました。
この感じは「海坊主」の「うつろ船」のガリガリと同じ効果ですねぃ)
節子さんのあの死に方は確かに嫌だなと^^;
死ぬ間際まで意識があって、迫り来る列車を見ていたわけですから。
(しかも運転手寝てるし!! 地下鉄開通して間もないのに
緊張感なさ過ぎだろ><職務怠慢にも程がありますな)
それはもう悔しいやら・・・一言では言い表す事が出来ない
気持ちでいっぱいになったに違いない。
しかも自分が死んだ後、何故か「自殺」で片付けられてしまった。
何故?
彼女は自分が死んだ理由を、どんなに惨めな思いで死んでいったのかを
世間に知ってもらいたかったのだろう。
故に「嘘の証言」をしてしまった人物達を集め、自白させた。
ただ・・・最初の江戸時代の「化猫」と違うのは
モノノ怪の本体(恨みを果たそうとする者)が「猫」と「節子(人間)」の違いのせいなのか
節子は死に値する恐怖を与え罰したものの
嘘の証言、職務怠慢した人たちを許した。生かしたのだ。
猫と人というより、第三者で見ていて復讐しようと思った猫の立場からと、
殺され自ら復讐・・・真実を公にしたいと思った当事者の節子の
立場の違いからかもしれない。
(ちなみに、第2部見た時、チヨさんや正男君は消えただけだったから
ひょっとして実は生きてる?とは思っていたが、刑事さん猫の爪で
ひっかかれてたっぽかったし、彼が「自殺」と断定してしまった
張本人だったので、彼は市長同様、確実に殺されてると思ってました。)
節子もどこかで「分かってくれれば・・・反省してくれれば・・・本当の事さえ
話してくれれば・・・」と許す事の出来る心も持っていたのかもしれない。
(自分自身の事だから・・・ちと違うかもしれないが、自分の悪口はまだ許せても
家族や大切な人を悪く言うのは許せない・・・的な?)
確かに自分が自殺した・・・と決め付けられてしまった事は腹立たしい・・・が
直接死んでしまった理由は、彼らのせいではなく森屋。そして市長である。
ひょっとしたら、そんな森屋でさえも、ギリギリ「本当の事さえ話してくれれば・・・」
と思っていたのかもしれない。
ラスト、森屋が気が付いた時、普通に列車の社内に乗っていた。
あの時「すまなかった市川・・・市長の件は公表し、自分は自首する・・・!」
とでも反省すれば、あのまま時は進み死なずに済んだかもしれないが
しかし彼は反省するどころか、助かったしめしめ♪と、何事もなかったかの
ようにしようとした。
その途端、時計の針は逆戻りし始め、節子は森屋に止めを刺した。
そして薬売りは、節子の復讐は止めず、
想いを遂げさせてから斬った・・・て感じですかね?
実際はひっかかれて痛そうだったけど、
ちょっと「にゃんこにもみくちゃにされる地獄」は
味わってみたいvなんて思ってしまった。